
中世アラビアでは、花の持つ象徴性を記号のように組み合わせ、花束の手紙を贈り合った。この風習をSELAMという。その後ヨーロッパに伝わり、フランス人は、こうしたシンボルの花束に、自分の名を表す結び目のリボンをあしらい、langage muet「沈黙の言葉」と呼んだ。今に伝わる花言葉は、これら詩的な遊びの片鱗をかろうじて残す、拙い遺物にすぎないが、当時の「花の文法」をある程度はたどる事ができる。例えば香りは官能性のサイン。強い香りは愛情の深さを表す。毒は死のサイン。次々と咲く花房は時の長さを象徴する。そこには、植物と共生してきた人々の観察力と、深い洞察の果ての哲学がかいま見え、興味深い。
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3つのツボミと、満開のバラ一輪は「お互いに永遠に秘密に」というメッセージ。このバラは「レオニダス」。 |