サザンとうきょう
そぞろあるき

Produced by SHIN-YO
photo:Vol.1~5 坪内二郎
photo:Vol.6~8 鳥羽雅行

冊子「そぞろあるき」は A5判16ページ。大田、世田谷、目黒、品川区内にある 「花キューピット サザンとうきょう」メンバーの花店で、毎年9月から12月の間お客様に配っています。綴じ込みで付いている、豪華プレゼントの当たる懸賞ハガキが人気。
 
HOME FLPWER LPVERS
そぞろあるき
花を贈る 花を楽しむ 花を買う 花と暮らす
CALLIGRAPHY
書物が宝物だった時代
太陽の光だけを頼りに長い年月をかけて書き写された 文字は閉ざされた空間から放たれ、時として言葉の音色となる。
チッペンデールプレート『何千もの香り高き花々を咲かせてベットを作りましょう(ChristopherMarl owe)』
トールペイント制作 桧山景子
カリグラフィー 小田原真喜子
麻布に描かれたアルファベットと小花
カリグラフィー 小田原真喜子
文字と彩飾
人類は言葉を見つけ、絵で物事をあらわした。それは徐々に象徴的な記号となり、簡略化され、その後文字や絵で記録や思考を表現するようになる。それは石版、粘土板、蝋を塗った板、樹皮、葉っぱ、骨、金属などに残された。テーベで出土した新王国時代(第18王朝)のエジプトの「死者の書」は世界最古の紙、パピルスに書かれた、人類に現存する最古の書物装画である。

ヨーロッパでは、2~4世 紀にかけて新約聖書が成立し、各地の修道院の写本室で聖書が制作された。382年、教皇ダマスス一世の秘書であった聖ヒエロニムスは、ラテン語によ る聖書の翻訳を命じられ、405年に「ウルガタ聖書」が完成する。その後、カロリン・ミナスキュール書体の創作により、彩
飾画の美しさと、整然とした文字の美しさが加わり、写本の黄金期を迎える。8世紀後半、ローマに追われアイオナ島に定着したケルト人が遺した聖書の福音書の写本『ケルズの書』は奇想と精緻な装飾により、ケルト美術の最高峰とされ、世界的にも最も優れた書物のひとつである。

彩飾写本(イルミネイテッド・マニュスクリプト)は、写字生(スクライブ)により一字、一字丁寧に書き写され、彩飾画家(イルミネイター)によって装飾や彩飾画が描かれた。
15世紀の初めまではヴェラムという羊や子牛の皮に書かれ、ペンは葦の茎やガチョウの羽根軸が使われた。外界から遮断された修道院では、集中力を持続させるため、写字室内での意志疎通はすべてジェスチャーでおこなわれたという。
やがて写本制作の中心は、修道院から都市の工房へと移る。ゆるやかに活字本が彩色写本に取って代わり、16世紀中頃には手描きによる写本はほとんど制作されなくなった。

●タイトルカリグラフィー 小田原真喜子

リズミカルにカリグラフィーが描かれた光沢のある黄色のタイシルク…。カボチャのリースと手作りカードでハロウィンパーティー。

美しく、書く

19世紀、英国ビクトリア朝時代のウィリアム・モリス、その後のエドワード・ジョンストンの出現により、西洋の文字文化は再出発する。

「カリグラフィー」という言葉は、ギリシャ語の「カロス(kallos)」「グラフェイン(graphein)」という言葉に由来する。カロスとは「美」、そしてグラフィアとは「書く」の意である。つまりカリグラフィーとは、美しく書く事…。

カリグラフィーには、印刷書体とは違った書き手の心のぬくもりがある。日本でいえば書道。万葉の時代、美しく漉いた和紙に書かれた歌が自然の四季の移ろいや書き手の気持ちを伝えるのと同じように…。

長い年月をかけて西洋で発達したその美しい文字には、季節の扉を叩く風、清らかに流れる水、野に咲く花、そして花を愛でる人々の心を奏でる音色のような、安らぎと優しさがある。

クリスマスの集いには、手書きのカリグラフィーでお出迎え。
聖書の一節を描いた、作品全体から生命の息吹を感じるカリグラフィー作品。
ステーショナリー(フレーム・ペンケース・小物入れ)。トールペイント&カリグラフィー。

制作 小田原真喜子

●取材協力 MAKIKOオフィス
●参考文献 カリグラフィー花物語
          (小田原真喜子著・(株)日本ヴォーグ社)
         カリグラフィー・本格入門独習ブック
          (小田原真喜子著・(株)日本ヴォーグ社)
         カリグラフィーの演出
          (小田原真喜子著・文化出版局)

 

 

i-conVOL.8 (2004) i-conバックナンバー

i-conVOL.7 (2002)
i-conVOL.6 (2001)
i-conVOL.5 (2000)
i-conVOL.4 (1999)
i-conVOL.3 (1998)
i-conVOL.2 (1997)
i-conVOL.1 (1996)
copyright